水曜日, 1月 02, 2013

thumbnail

パラレルシュトライフェンは実にクルジィであり間違ってもクルジィではない

新年ですね。明けちゃいましたね。本当は去年のシメにするつもりだった記事ですw
!HAPPY NEW YEAR!

今日も仕事してます。残念ですが、昨日も仕事でした。




昨年になって初めてこの趣味とそのなかで得たもの、感じたもの、その疑問を外に発信しはじめました。

皆様の応援もありここまでなんとかつづけてます。ありがとうございます。

書きたいこと(=疑問)はいっぱいあるんですが、どこまで記事にできるやら。。。


新年1発目はは本ブログらしい記事で始めたいと思います。

ただいま、人気のない職場でパソコンいじってます?


以前の記事に立ち並ぶネタになります。
そして、いつもながらの答えのない話ですが、興味あれば面白いはず!

まず、おさらい。
自分が心奪われた南米に繁栄するドワーフシクリッド:アピストグラマ属
この魚はいまだ学名がつかぬsp扱いの魚種が多々見受けられますが、
その分類は素人学者もまじりどーなってくのかテンで先が見えない。
そもそも、ちゃんと妥当な分類がいままでされてきたかも分からない。


Ap.sp.parallelstreifen
さてAp.sp.パラエルシュトライフェンです。
クルズィのサブタイプみたいな扱いが一般的なのでしょうか?
よく見る記載は
Ap.cf cruzi “パラレルシュトライフェン”やAp.sp.”パラレルシュトライフェン” とかですね。

さて、ここで問題です。彼等はクルジィでしょうか?別種でしょうか?
似た話はアガシジィとテフェタイプやプルクラとブランコプルクラ
最近の話題だとロートカイルとsp.イサナなどでも論じられてるようないないようなところです。

ただ、クルジィ”レッドブレスト”とかsp.”シュワルツブルスト”など扱われていた魚種の一部が
Ap.cinilabraと別種になりました。

ではパラレルは?パパゲイは?。。。どー すんの?

Ap.cf.sp.Alt-tapiche
こんなのもいますしーねぇー?(alt tapiche)

で、今回取り上げたパラレルシュトライフェンはエクアドルのおそらくNapo川の 最上流域からきました。
ロカリティのある程度の保証としては
パヤミノニス(エクアドルの固有種と考えられてます)と来日したというとこかと。

特徴はこのコーダル。
Ap.sp.parallelstreifen
このロット。。。なんと全部このコーダルを持っていました。

これは自分の記憶では始めてのジケンです。
Ap.sp."Parallelstreifen"
?これもパラレルシュトライフェンです。

以前にもパラレルシュトライフェンくるとこのような2つにわかれたコーダルを見てますが、
全個体ってのは初めてです。現地セレクトではないようですので、そういう地域なんでしょう。
それが、どうしたと言われてしまえば、ソコまでなんですが。。。
ここからいつもの妄想垂れ流すこともできます。



太古、大きな湖だったアマゾン川が徐々に川としてのカタチを描き、
少しずつ原始的なアピストが各流域に取り残されてゆき、それぞれの進化の道を選びだす。

そして、時が来ればこのアルトアモン?のパラレルは
エクアドルの最上流域に最初に取り残されたパラレルタイプになる。。。

わかるづらいですねぇ。。。
んーと、元祖パラレルシュトライフェンのカタチはコレだと思う!ってとこです。

Ap.sp.parallelstreifen
では、このパラレルはクルジィなのか?
『少なくとも以前飼育していたパラレルタイプとクルジィタイプの間には
 子がとれちゃってF2まででるのを自分も経験しましたし、まわりでも同じ事を聞いたので
 生物学的には同種です。ただ、いつものようにメラニン見て体型みればクルジィと別種です。』

ここがポイント!
別種かどうかを話す上での前提ですが、
種の定義に立ち返らねばなりません。
ここがちゃんとしてないから話がこじれるんです。


スポーツと一緒で学問にも語る上でルールがある。
それが『定義』です。

つまりこの場合!
アピストグラマ属の魚の種をどう判定するかルールを決めるということです。
簡単に言えば、下の①か②のどちらかの派閥に入れということです。

①生物学的種概念によれば、
マイアは1942年に
「種とは遺伝子プールであり,その中では互いに交配するが,
他の集団とはうまく交配できないような個体群の集まり」と定義
『アピストの異種間では仮にF1とれてもそのF1間でF2はとれない!』

②系統学的種概念によれば、

定義から性を外し,その代わりに共通祖先からの系譜を持ち出す。
『Fがとれる云々ではなく、系統的にこれ以上は絞り込めない集団』

①の立場なら当然クルジィとパラレルは同種で本種と亜種という位置に。
②の立場なら両者は当然別種になるということです。
どちらもそれぞれの立場において正しく、互いを見れば誤っているという状態です。


つまり、
メラニンみて、目つきみたり行動パターンみたりしてこれとこれは別種だよという話に対して
Fとれちゃったからやっぱ同種だよという話は成り立たない。
同じものを違う色の色眼鏡をかけながら、何色か論じ合ってるようなものです。

ただ、どちらの立場にも問題があります。
①生物学的種概念
種と呼べるためにはどのくらい交配が困難であればいいのかが示されてはいない。
F2がとれなかったのは飼育者の技術のせいかもしれない。
外見上の差があるのに,ごく普通に交配している種をどうする?

②系統学的種概念←一般にアピストの分類はこっち
どこまで分ければいいのかがわからない。
少なくとも原理的には,突然変異が1つでもあれば,それを共有する小さな動物群に対して
種名を与える根拠となる。



答えのない話ですねw
つまりは進化の過程に常にある生物を一つの杓子定規で分けることは出来ない。
人のエゴでしかない。でも、それが楽しくもあるw楽しむためにはルールを!

*追記1/2*
DNA解析という話もありますが、あれは系統学的分類に遺伝的な根拠を強めるものです。
DNAレベルでみたとしても結局どこまでを個体差、どこからが種差かを決める定義が種ごとに
求められます。
コレとコレは進化の過程で非常に近縁であるとかは分かるようにはなりますが、
DNA解析すれば片がつくような生易しい問題ではないと考えます。


オマケでまとめ

Ap.sp.Putzer
Ap「じゃあ、結局ぼくはサンガブリエルのロートカイルなの~?」
自分「いや、キミは断じてロートカイルさんではないよ。プッツェール君のはずだ。」
Ap「よくわかんないね!」
自分「それでいいんだよ。我々人間はあーでもないこーでもないと言いたいだけなんだ。。
   ただ、自分が君を大事に思っていることだけはわかってほしい。。。」
?まとめるとこういうこと?

分類学のさわりのような話を書いてみました。
興味があるヒトは以下ご参照に
ⅰ:日経サイエンス 2008年9月号
ⅱ:Loom

最後に
今年もA2Hをよろしくお願いいたします!

頑張れと思ったら是非応援ください!

にほんブログ村 観賞魚ブログ アピストへ

Subscribe by Email

Follow Updates Articles from This Blog via Email

14 Comments

avatar

わたしにとっては結構難しい内容のお話しでしたが、それでもわかりやすく書いていただいていて、興味深かったです!!
なるほど、DNA解析でも方がつかないのかぁ。
これはほんとにややこしい問題ですねぇ。
リンク先、日本語サイトの方だけ読みましたが、これまた興味深かったです!ご紹介ありがとうございました^^

Reply Delete
avatar

初心者の私にとってはクルジィ系は特によくわからないです。
でも、大変興味深い内容でした。
でも最後の「大事に思っていることはわかって欲しい」というのはとても共感できます。
結局、みてこの子を育てたい!っていう気持ちが一番だったりしますよね。

Reply Delete
avatar
梨乃のパパ 2013年1月7日 6:08

どうもです~
明けましておめでとう御座います。
今年も宜しく御願い致します。
何時もながら関心してます~興味しんしんです~
謎めいた部分が又、私は興味をそそります~(笑)

Reply Delete
avatar

あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします!
クルジィとパラレル、難しい話ですよね。
自分の中ではコレ系は10数年前の記憶で止まってますが、クルジィは全体的に地味地味で、尾ビレが無色透明に近い。パラレルは全体的に派手派手で、尾ビレが上下で2色に分かれている個体を指すイメージです。
あと、復帰してこんなアピストが出現したんだと驚いたパパゲイは別種扱いにして欲しいですね(笑)
今年も色々なアピスト考察楽しみにしています~!

Reply Delete
avatar

noramさん
コメントありがとうございます。
DNA解析は絶対有効ですし、
この種とこの種はこの時代に分岐したなんてのもわかります。
でも、いろいろ決めておかないと
あとで運用の問題が生じてしまうことになるだろうなぁ
と思うんです。
つまり今起きてるのと同じ問題がまた違う土俵で繰り返されてしまう。。

Reply Delete
avatar

satocさん
コメントありがとうございます。
大事なものはかわらないって思ってます。
アプローチの仕方の問題ですよ、きっとw
これでも純粋に楽しいんです、自分は。

Reply Delete
avatar

梨乃のパパさん
いつもコメントありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
全部わかってしまったらつまらなくなってしまうこといっぱいありますよねw
不思議なもんです。こんなにいろいろ知りたいのに謎のまま思いを馳せつづけたい気持ちも多分にある。
これまた人のエゴですねw

Reply Delete
avatar

apisto_galleryさん
今年もよろしくお願いいたします!
クルジィタイプはカオスともいえます。
もうきりがない。。
でも、全部一緒かといわれると悩ましいが、全部別種かといわれるとまたウ~ム。。。
こんな感じなんです。
つたない知識では
ぺバス/パパゲイはメスのラテラルスポットが興奮時に2個か3個ですが、クルジィ、パラレルは5,6個です。
ここがひとつポイントで
クルジィとパラレルはよりはっきりしている3-4本のアブドミナルストライプ、コーダルの大きさ、鰓ブタ周囲のドットなどが見極めポイントかなぁとか思ってます。
アルチタピチェとかも悩ましい。。
ウィンケルフレックはまた全く別物でレガニに近いと思います。
自分もまとまっていないんですよw

Reply Delete
avatar

こんばんは。
本年もよろしくお願いします。
アピスト好きですね~(^^)元旦からこの内容の記事とは。
私もクルジィ系は好きな種類です。
でも、種類とかは多すぎて良く分からないので、そこまで深く考え無いようにしています^^;

Reply Delete
avatar

りのさん
コメントありがとうございます。
好きなんですよー、困っちゃうくらいに。
考えられずに楽しめれば一番なんですが、、
一度気になり始めたら。。
やっぱり、なかなかやめられないんです
なんの意味もない思考にも我ながら感じますが、
趣味だからいいのです!

Reply Delete
avatar

明けましておめでとうございます。
久しぶりの書き込みです~。
相変わらず根拠の無い妄想書き込みでも一つ・・・
完全に信頼を失う書き込みですが、アルトタピチェはマヌーの近縁に見えました。これを言った時に、99人の人に馬鹿にされ1人に支持されました(笑)その一人が混雑種のFを作っていてこの結論だそうです。F2はとってないですが。
南米上流域に取り残されたアピストは、北側ーエクアドルに取り残されたものと、南側ーマヌー側に取りのこされたもので似ているが別の進化をたどったと思ってます。プカルパあたりとアルトタピチェあたりはどちらなのかは不明です。
完全に妄想の世界になってしまったことをお詫びします
ではでは、すこしづつ始動しようかな。
質問なのですがファスカルとカカト系って交雑すると思いますか?昔入荷したAP-SPドム そのあとのAP-SPジュルア2の事が少し気になってまして・・・。

Reply Delete
avatar

HEROさん
どーもです。今年もステキなのお願いします。
マヌー(Ap.ルブロリネアータと同義として発言します)の体側のバンドの出現の仕方とアルトタピチェ(現在はパラレルシュトライフェンの亜型と認識中)の体側バンドの出現の仕方(ドットの集まりのような感じ)はイコールではないと感じてます。ただ、ルブロはパラレルみたいにコーダル2つになるんですよねw
どちらも大きく見ればレガニークルジィcomplexといえますから遠い関係ではないと思います。地理的にも。
��そもそも、レガニとクルジィどっちが原始的なのかだって証明されてないですが)
このあたりはジュルエンシス/アルパフアヨ(ペルーユルエン、spシュワルツキン含む)問答でも一緒ですが、現ジュルア流域とウカヤリ上流域やマドレデディオス上流域にいるアピスト群は一部非常に近縁としか思えてなりません。
ゆえにタピチェとマヌーの関係も同様に遠からずかもです。
今のところの認識ではマヌー アルトタピチェの近縁については「おもいつかなかった!否定するすべがないです!飼育経験が足りませんw」
ファスカル(旧sp.タピチェの意で解釈中)にたいし、ジュルア2は最初ファスカル?と紹介されましたね。ちょいちょい違うんだと思いますが、近縁であることはここまでのロジックに当てはめれば無理なく説明可能と考えます。
sp.ドムは実際に見たことがないので分からないとうのが、正直なところです。
少なくとも予想としてはファスカルとジュルア2は生物学的には同種の可能性が高いと思います。系統学的にはわけてもいいかなと。
ドムかぁ。。。んー、やっぱりわからんですね。生きて泳いでるのを自分は見てない。
最後にファスカルとカカトは大きく分ければカカトグループになるんでしょうが、少し距離を感じます。主観でよければ、是非違うグループにしたいです。系統学的にはいろいろ異なるグループです。
実際はここにロシタエ(spウリアス)やパヤミノニス、なども混じり、そこまで広げたからにはマルティーニ、そういえばジュタイもハウスウェルもいた。。。。あとあと。。。。
もうキリがない!ってのが実際ですよね。
生物学的にはどうでしょうか?交雑しないでくれると嬉しいですが。。
犬の雑種などみてるとこんなに違うのに交じるんだから、ファスカルとカカトぐらいじゃ交じるかもなと思います。F1くらいとれるんじゃないですかね?F2は謎!
今年も日本にステキアピストお願いしますね!

Reply Delete
avatar

こんにちは!
今年もよろしくお願いいたします。
某ショップでリアルパラレルシュトライフェンとして
入荷されており
「お筒のスポットがロット全部同じで・・・」
などと説明されました。
ひょっとして店主さん、こちらのブログを読んでるんじゃないかと
密かに思いました。
今年も貴重で有意義な情報をお願いいたします。

Reply Delete
avatar

GRCさん
こんにちは!
まさかプロにまで影響与えることはないと思ってましたが。。
リアルパラレルシュトライフェンですかぁ。。かっこいい名前ですね。
自分はいつものアクアルミエールさんでこれ全部コーダル一緒でしたよー。と店長に教わり妄想してこの記事にいたりました。
もし違うお店でしたら、問屋でそう説明されたか、もしかたらこの記事かもですねw
びっくりです!
今年もよろしくお願いします!

Reply Delete

Seacrh By Tags

copyright © 2012-2017 アピストグラマジャポニカ, All rights reserved . . Powered by Blogger.